この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
相談者は結婚約10年で小学生の娘がいる家族で、仕事の関係で転勤の多い方でした。配偶者の流産を機に配偶者が相談者に対して冷たい態度をとるようになり、相談者は関係改善のために様々な努力をしたものの、全く受け入れられませんでした。最後に同居をした際も、数カ月で配偶者が勝手に配偶者の地元に帰ることを決めて出て行ってしまい、それから別居状態が3年程度継続した状態で当職のもとに相談に訪れました。
解決への流れ
受任後交渉を試みるもほとんど有意な反応が得られなかったためすぐ調停に移行しました。調停ではメールでのやり取りの記録などをもとに、依頼者が配偶者に対し誠実に接し関係改善のために様々に手を尽くしたこと、にもかかわらず配偶者が冷たい態度をとり続けており、婚姻関係が修復不可能となってしまったことを説得的に主張しました。その結果、調停委員に紛争の実情をよく理解してもらい、当方にとって有利な形で離婚をすることに成功しました。なお、お子さんとの関係継続を強く希望されたので、面会交流も盛り込んだ形での調停を成立させました。
調停は裁判所(調停委員)を間に挟んで双方が話し合い、合意を成立させるという手続です。調停委員は、話し合いを整理して解決の方向性を示します。そこで、調停委員に対し、紛争の実情をどれだけよくわかってもらえるかが一つの重要なポイントといえます。この事例では、双方のやり取りが客観的に形として残っていたこともあり、依頼者が極めて誠実に対応していたことを説得的に主張することができました。このこともあって、当方にとって納得のいく形での調停を成立させることにつなげることができました。